1.11.2010

MRSドラゴンフライ


いまさらあえて紹介するまでも無い人気GS:MRSドラゴンフライについて報告いたします。今までのキャンピングの乏しい経験から、氷点下におけるフィールドでは燃料は液体燃料のほうがクッキング、テント内暖房に於いてもガスより頼りになると判断してMRSドラゴンフライを購入した。ストーブにはそれぞれ使用目的があると思うが、例えば
1:極寒冷地高所使用
2:無雪期5℃前後
さらに1:では
a:-30℃以下で氷を溶かし湯を作る。
b:-20℃前後で雪で湯を作ったりクッキングや暖房に使う。
私の使用目的は1:のb と2:である。
その範疇での選択肢はMRSドラゴンフライかOptimus Nova No82の二つに絞りドラゴンフライを選んだ。このストーブは火力調整がスムーズで調理には全く適してるのが実感できたし、とろ火で安定した長時間のドライブも文句なし。ただ、ポンプの材質はFRPなので、オプチマスやプリムスと比べて耐久性がちょっと気になるが。。FRPは繊維質のプラスチックで強度はあるというが金属製のポンプと比べた場合、やはり現場での破損が気になる。今後に期待したい。


付属の風防と下に敷く反射板も効果的である。これの使い方は熱効率が目的だろうが、そのほかに雨天や吹雪のときでも野外でプレヒート出来ないときに狭いソロテント内でもテントに引火を防ぐ効果もあると思う。家の中でプレヒートの実験を繰り返したが、着火後風防を囲いクッカーを乗せればテントに引火する事は無いと思う。(ただし基本的にはテント外でプレヒート)プレヒート後はフレームアジャスタハンドルを少しだけ開き火力が安定するまで待ち必要に応じてポンプアップして徐々にバルブを開放すれば火は安定したブルーになり、やがて轟音を発して最大火力となるがこの最大燃焼音はうわさ通りに凄まじく頼もしいのだ!ただ、混み合ったり寝静まったキャンプ場や非難小屋ではちょっと問題かもしれない?私はこの音に一目惚れしたのだが。。

ゴトク径は大きく内径も広いので、小さな縦長のクッカーでは、ゴトクから外れてしまい、網を乗せるか自作で工夫するしか無いが、例えばこのページのようにゴトクにステンレスの針金を取り付けてる人もいるし、さらに三辺を2本でねじれば強度も増すだろうが、ゴトクの内径を50ミリくらいに狭めてくれて欲しい。

出力は2100前後でガソリンストーブとしては低いがノバの2800カロリーと比べても沸騰時間は同じかむしろ早いのがいろんなブログで実験報告されている。この辺のメカニズムは私にはわからないが、ただ、パッキングスペースが大きくなり、ソロでの山行きでは不利だ。しかし専用のハードケースがあれば何とかザックパッキングはうまくいくだろう。このEPI APSAⅢ用ケースがピタリのようだ。


この日はウインナーを沸騰した 湯から中火で茹で上げ、とろ火で日本酒を熱燗。とろ火はそのままに連続燃焼させておいて、お酒が冷めたら網の上に少し置いてまた暖める。こんな事が出来るGSはありがたい!





そしてカレーを作ったが、大失敗。
カレーにアルファ米を入れすぎてカレーライスではなくてカレー雑炊になってしまった・。
が、もったいないので無理して全部食った!
帰宅後胃がむかむかして、せっかくの日曜日の夜が不愉快だった。しかし、このストーブは実に火力コントロールがスムーズでクッキングやテント内での暖房に効果的に使える事がわかった!

1.03.2010

奥多摩小屋


09年12月30日今年最後のキャンプ地は奥多摩小屋キャンプ場




もっと雪が多いのに期待したけれど、半端な雪で期待はずれ、しかし風が強くテント設営に手間取る。私がめくれあがるテントにもがいてると、若いソロキャンパーの青年が助けに来てくれてようやく設営できた!雪は数センチでその下の地面は固く締まっていて、Vペグを石で打ち付けるのも容易ではなく、こういうケースでは200ミリのストレートペグのほうが良いだろう。明日ペグを抜くのが大変だと思いつつ、(案の定撤収のときにペグはなかなか抜けず1本へし折ってしまう)風で飛ばされないように12本のペグをしっかり固定する。



手伝っていただいた青年からビールまで頂いたので、お返しにウイスキーのお湯割とハムを分けてあげた。彼は私と同じコースだったが、私は4時間半で、彼のほうは2時間チョイ!!早い・・陸上部で鍛えたそうだ。。。17:05分夕食も終わり日没間じか。テント内温度0℃外気温-4℃だが風が強く体感温度は11月の八ヶ岳での
-10℃のときより冷たく感じる。
 


奥多摩小屋前にあるベンチ。小屋の奥にあるトイレの帰りで、もう真っ暗。
トイレ出てからすぐにカチカチに凍った斜面で滑ってころぶ・・




18時に寝袋にもぐりこみ眠ったが、20時に最初の目覚め、、22時くらいまでうとうとしてて、寝付かれないのでコーヒーを飲む。湯が沸き上がるとストーブを弱火にして暖房にする。前回同様にインナーパネルは全開ですごしたが。このテントの気密性は良く風はベンチレーションからしか流れてこない。


自宅では考えられない事だが、ブーツの横に平然と食料を・・これがなんとも無いから不思議?


この夜は風は強く時々地鳴りもして背中に振動が伝わり。なかなか寝付けない。しかし満月がとても明るく、テントの中もうっすらと明るい。


5時17分 テント内温度-2℃外気温-7℃で、風はやや弱まる。富士がハッキリ見える。


テントの真上が富士山、木立にちょっと隠れているが。。この日の朝はテント設営場所のすぐ隣のヘリポートからハッキリと見えた。


九時過ぎになってからテント撤収し、雲取山頂から三峰口へ下山する。山頂に着いた時はすでに 朝方とは違いガスっていて富士山は隠れていた。


雲取山荘到着、今夜は通年通りここで、カウントダウンをたる酒を振舞いながらやるのだろうが、しかし午後から厳しい寒冷前線が通過の予報のせいか、今回登ってくる登山者は少ない。
山荘のキャンプ場もひっそりしててわずかに一張りだけ。。


昔はにぎわったであろう雲取ヒュッテの残骸。。。

白岩山頂、、いつもここで休憩してるとメス鹿が現れるのだが、今回は来なかった。



16時前に三峰口に到着。その手前から雪がジャンジャン降り出し、寒冷前線のお出ましだ。今頃キャンプ場では吹雪になっているだろう。


三峰口へ下山すると必ずここの茶屋でお酒と軽い食事をするのだ、ここのお店の雰囲気はとても家庭的で大好き!今回もここによるのが楽しみの一つだった。

いきなり降り出したこの雪で今夜の初詣客は減るだろうな?
この位置は高度1100で路面は夜には凍結するだろう。


まだ静まりかえってる神社の駐車場を後にして最終バスに乗り西部秩父駅に向かう。これで今年のキャンプは終わり八泊目だった。

西武秩父駅に着くと、仲見世通りの商店は午後5時ですべて閉店だった・。えぇ~~っと思ったら、
31日は全店たな卸しなんだそうだ、、それで17時にはすべて閉じるのだ。結局お土産も買えず
地酒のワンカップを飲みながら帰ろうとしたに、これも無し。なんか、晦日なのにしらけるなぁ~
私の反対座席に置いたザックもなんだか、窓に寄り添って疲れきった様子で、グタッとしてる様に見える。いやぁ~ご苦労様でした。


11.08.2009

南八ヶ岳 硫黄岳--赤岳



11月1日2日3日と連休を利用して、楽しみにしていた八ヶ岳登山に行って来た。                   
1日:JR立川駅6:43分発の普通電車に乗り甲府で乗り換え茅野へ。。始発のこの電車は登山客で一杯だったが、塩山駅までにほとんどの登山客は下車してしましい、八ヶ岳や松本方面に向かう登山者は見当たらない。甲府から茅野への車内は暖房効きすぎで35度もあり、暑くて苦しい・・。なんでこんなに暑くするのか?茅野駅には10:05分に到着、バスターミナルで美濃戸口までの往復チケット買い約50分で登山口に到着!このバスも暑かったので窓を開けた。さらにこの季節登山者は少なく美濃戸で降りたのは私一人だった。


美濃戸山荘前から北沢コースを選び沢沿いに赤岳鉱泉を目指す。ここまでは気温20度近くあり暑かったが、この橋を渡ったあたりから、15度以下になり風も出てきてそれまで晴れ渡っていた空も雲行きが怪しくなってきた。急ごう。。。
大同心と横岳が見えてきた!空は鉛色に重く垂れ込めている、明日の天気が心配だ。
赤岳鉱泉に到着!名物アイスキャンディーのやぐら囲いが後方の大同心を見上げる位置に設置してある。ここで冬場は人工氷を張り付かせてアイスクライミングの練習場になる。
山荘で手続きを済ませる間に雨が降り出したので、樹林帯の中にテントを設営、この日テント泊は私だけで、山荘の泊り客も数人しかいなかった。

雨はだんだん強くなり明日の縦走が出来るかどうか不安になる。山荘のお姉さんも今日午前中まで天気が持ったのも不思議なくらいで、明日は雨だというし。。。。気分が暗くなる。この季節稜線では風も20メートル近くありもし雨だったら暴風雨となり縦走は無理だろう。
樹林帯の中での設営なので少しは雨は防げたが、トイレなど出入りするたびに水滴がテント内を濡らし快適ではなく、テントも泥だけになる、帰宅してからの後始末が大変そう・・。19時ころで外気温が7度から5度くらいまで下がったが、むしろ雪になってほしかった。
午前3時に起床、、テント内温度10度で結露発生小雨模様だ。とにかく硫黄岳までは行ってみようそして様子をみて撤退するかどうか決めようと思い朝食を取り、一時間近くたつと雨は上がっていた。さらに雲の切れ目からきれいな満月が覗いてる!これは晴れだ!!早速用意だ。防水スタッフパックにザイルを結び、たすき掛けできるようにして、中には予備のグローブ、地図、ポカリ、救急パック、目だし帽、ヘッドライトだけの身軽な荷物、ウエアーは、上はCWXのアンダーウエアーに沢登用のジップジャケット&ソフトシェル&ゴアのハードシェル。下はCWXパンツ&登山ズボン&ゴアのハードシェルパンツで、暴風、暴雨に耐えるようにする。グローブは作業用人工皮の手袋の上に防水アウターグローブをはき指が柔らかく動くようにした。

6時に出発:気温7度快晴で、実に気分が良い!予想を反しての快晴だ!そういえば今日は父の月命日だ、きっと父が私のためにお天気にしてくれたのだろうか、などと勝手に都合よく思い、合掌して天の父にお祈りする。


一般登山道と大同心への分枝点を分けて、一路赤岩の頭を目指す。途中から硫黄岳がクッキリ青空の下に岩のトリデのように姿を現した。森林限界はもう近い。
今日の最終目的地、赤岳もはっきり見える!ようーし行くぞぉー。。
ここを登りきると赤岩の頭だ、森林限界を超えた。気温は2度森林限界を超え風が強くなってきた。
赤岩の頭に出た!視界が一気に開け硫黄岳の独特の平たく広い頂上がはっきりと見える。

風はさらに強くなり硫黄岳目指し最初のケルンから赤岩の頭を振り返る。来てよかったぁあ~~!!赤岳もクッキリハッキリだし!!!!

ロウソク岩を右に巻き硫黄岳頂上はもうすぐだ!
快晴の硫黄岳に到着 !全方方位すべてばっちり見渡せる。幸せだ、、感無量・。
それにしてもここは広い不思議な頂上だ、それに平らでまるで運動場のよう。。まだ侵食前の台形の地という感じだ!気温マイナス1度 強風!


横岳、赤だけ、阿弥陀岳と一望!

中央に青い屋根が、硫黄岳山荘だ。右上には横岳奥の院もハッキリ見える。
この山行きで唯一の私の写真。頂上で満喫していると二人の登山者が反対方向からやってきたので私にしては珍しくシャッターを頼んだのだ。彼らは昨日下山予定だったが、強風強雨で硫黄岳山荘に戻ったのだそうだ。
硫黄岳北面の爆裂火口、もっと近づきたかったが、風にあおられここに落っこちるのはいやだ!!
立ち並ぶケルンを後にして次の目的地横岳に向かう。
硫黄岳山荘。。稜線をほんのわずか数メートル下ったところにあるが、ここは無風なのだ!
横岳までの道のりでは大同心、小同心、赤岳が角度を変えるごとに実に表情豊かに私の目を和ませてくれるのだ、これも快晴のおかげだ、どうか今日一日このまま晴れますように。。。

硫黄岳山荘を振り返る。広くのびのびとした稜線である。道はこれから先だんだんと険しく怪しくなってくる。
大同心と赤岳が重なった!この大同心を登攀登山するクライマーは凄いなっと思う。


いよいよ横岳だ、岩稜地帯に入る。
登山道は切り立った痩せ尾根に変化し、、
最初の鎖場が登場する。ナイフリッジだ!ここを鎖を頼りに横ガニでわたり切りリッジをまたぎ西側に出て、、
さらにもう一度東側にまたぐ。。
そして、鉄梯子を登りきると横岳奥の院に立つ!ここで10分ほど休憩、10時5分快晴気温9度まで上がり風も少し弱まり気分全快!しかし、
雲行きは急に怪しくなり大量のガスも発生し、今までの景観はうそのようにガスに包まれ風もぐっと強くなり、気温も下がり始め、不安になる。
まったく視界が開けないまま、地蔵の頭に到着。あぁ~今までの快晴はどこへ行ったのか・・。
突如としてガスの切れ目から山荘が現れた。赤岳展望荘だ!ここで昼食を頼もうとしたら泊り客だけなんですぅ~っと断られた。。暖かいラーメンが食べたい!

さらに風は強くなり、ガスも大量発生の中、最終目的地赤岳山頂を目指す。岩の薄いチップが敷き詰められた急登は足がかりが悪くストックも刺さらず、さらに強風で体が煽られ、登るのにきつかった!! 
赤岳頂上荘だ。。やっと着いた!ありがたい 営業してる!!ここでカレーライスとビールを暖かいガラス張りの食堂でいただいた。。晴れていればここからのガラス張りの景観は見事だったろう 。


頂上荘から少し登ると山頂であるここまで来て視界が利かないのは残念であったが、満足もしてた。これから先は文三郎道を下り行者小屋を経由して赤岳山荘に戻る。
赤岳よまた来るぞぉ~~!!!

文三郎道は岩稜の険しい下り坂だ。強風で気温もマイナス5度まで下がる。急ごう!!




 途中の中岳への分枝点。

中岳の真後ろに阿弥陀岳が見えるはずだがガスで頂上付近が隠れてるのが残念だった・。

天気がよければ中岳から阿弥陀岳を登り中岳のコルから文三郎道に出たかったが、天候は厳しく断念した。今度来たときにはここからキレット超えをして権現岳に行ってみよう。




行者小屋に到着、ここのテン場にテントが二張りあった。この小屋は今週でシーズン終了だそうだ。

15:30分に赤岳鉱泉に戻り、もう一泊の手続きを済ませ、テントの中へ。。気温は2度で、昨日より冷え込んでいるが雨は降っていない。 17時ころ小雨が振り出すがすぐに止み小雪に変わった!雪だ!!初雪だ!八ヶ岳の初雪を体験・・・ちょっと感動した。テント内温度は4度。最後の夕食をワンカップ3本を熱燗にしていただく!!その後何もする事もないので、シュラフにもぐりこみ寝たが試しにインナーのパネルを開放してアウターパネルのみで一夜過ごしたが、下からの隙間風は無くこのテントの機密性は抜群だった!ちなみに22時でテント内温度マイナス2度、しかし寒さはさほど感じない。アウターの裾に雪がシームシーリングのように付着して外気を遮断している様子が写真でわかる。このテントのアウターは地面に密着してる為、このような効果もある。

翌朝4時起床、テントはうっすら雪化粧!!雪が降るのだったら、樹林帯に設営しないで広いグラウンドにすればよかったかな!

7:10分白くなった赤岳鉱泉山荘を後に美濃戸口に下山、気温は今回最低のマイナス10度。



北沢の雪景色、そして初雪に私が始めて足跡を残す。。。





美濃戸口では10分ほどでバスに乗れ、バス停にある八ヶ岳山荘の売店で買った缶ビールを飲みながら雪化粧した赤岳を見ながら茅野駅に向かう。帰りはスーパーアズサで新宿まで2時間。
車内ではワンカップを二本飲む、、しかしよく飲む私だ・・。
無事に縦走を終えほっとした。。ちょうど天候の分かれ目で冬直前の八ヶ岳を安全に登山できた事をうれしくも贅沢にも思えた。