11.08.2009

南八ヶ岳 硫黄岳--赤岳



11月1日2日3日と連休を利用して、楽しみにしていた八ヶ岳登山に行って来た。                   
1日:JR立川駅6:43分発の普通電車に乗り甲府で乗り換え茅野へ。。始発のこの電車は登山客で一杯だったが、塩山駅までにほとんどの登山客は下車してしましい、八ヶ岳や松本方面に向かう登山者は見当たらない。甲府から茅野への車内は暖房効きすぎで35度もあり、暑くて苦しい・・。なんでこんなに暑くするのか?茅野駅には10:05分に到着、バスターミナルで美濃戸口までの往復チケット買い約50分で登山口に到着!このバスも暑かったので窓を開けた。さらにこの季節登山者は少なく美濃戸で降りたのは私一人だった。


美濃戸山荘前から北沢コースを選び沢沿いに赤岳鉱泉を目指す。ここまでは気温20度近くあり暑かったが、この橋を渡ったあたりから、15度以下になり風も出てきてそれまで晴れ渡っていた空も雲行きが怪しくなってきた。急ごう。。。
大同心と横岳が見えてきた!空は鉛色に重く垂れ込めている、明日の天気が心配だ。
赤岳鉱泉に到着!名物アイスキャンディーのやぐら囲いが後方の大同心を見上げる位置に設置してある。ここで冬場は人工氷を張り付かせてアイスクライミングの練習場になる。
山荘で手続きを済ませる間に雨が降り出したので、樹林帯の中にテントを設営、この日テント泊は私だけで、山荘の泊り客も数人しかいなかった。

雨はだんだん強くなり明日の縦走が出来るかどうか不安になる。山荘のお姉さんも今日午前中まで天気が持ったのも不思議なくらいで、明日は雨だというし。。。。気分が暗くなる。この季節稜線では風も20メートル近くありもし雨だったら暴風雨となり縦走は無理だろう。
樹林帯の中での設営なので少しは雨は防げたが、トイレなど出入りするたびに水滴がテント内を濡らし快適ではなく、テントも泥だけになる、帰宅してからの後始末が大変そう・・。19時ころで外気温が7度から5度くらいまで下がったが、むしろ雪になってほしかった。
午前3時に起床、、テント内温度10度で結露発生小雨模様だ。とにかく硫黄岳までは行ってみようそして様子をみて撤退するかどうか決めようと思い朝食を取り、一時間近くたつと雨は上がっていた。さらに雲の切れ目からきれいな満月が覗いてる!これは晴れだ!!早速用意だ。防水スタッフパックにザイルを結び、たすき掛けできるようにして、中には予備のグローブ、地図、ポカリ、救急パック、目だし帽、ヘッドライトだけの身軽な荷物、ウエアーは、上はCWXのアンダーウエアーに沢登用のジップジャケット&ソフトシェル&ゴアのハードシェル。下はCWXパンツ&登山ズボン&ゴアのハードシェルパンツで、暴風、暴雨に耐えるようにする。グローブは作業用人工皮の手袋の上に防水アウターグローブをはき指が柔らかく動くようにした。

6時に出発:気温7度快晴で、実に気分が良い!予想を反しての快晴だ!そういえば今日は父の月命日だ、きっと父が私のためにお天気にしてくれたのだろうか、などと勝手に都合よく思い、合掌して天の父にお祈りする。


一般登山道と大同心への分枝点を分けて、一路赤岩の頭を目指す。途中から硫黄岳がクッキリ青空の下に岩のトリデのように姿を現した。森林限界はもう近い。
今日の最終目的地、赤岳もはっきり見える!ようーし行くぞぉー。。
ここを登りきると赤岩の頭だ、森林限界を超えた。気温は2度森林限界を超え風が強くなってきた。
赤岩の頭に出た!視界が一気に開け硫黄岳の独特の平たく広い頂上がはっきりと見える。

風はさらに強くなり硫黄岳目指し最初のケルンから赤岩の頭を振り返る。来てよかったぁあ~~!!赤岳もクッキリハッキリだし!!!!

ロウソク岩を右に巻き硫黄岳頂上はもうすぐだ!
快晴の硫黄岳に到着 !全方方位すべてばっちり見渡せる。幸せだ、、感無量・。
それにしてもここは広い不思議な頂上だ、それに平らでまるで運動場のよう。。まだ侵食前の台形の地という感じだ!気温マイナス1度 強風!


横岳、赤だけ、阿弥陀岳と一望!

中央に青い屋根が、硫黄岳山荘だ。右上には横岳奥の院もハッキリ見える。
この山行きで唯一の私の写真。頂上で満喫していると二人の登山者が反対方向からやってきたので私にしては珍しくシャッターを頼んだのだ。彼らは昨日下山予定だったが、強風強雨で硫黄岳山荘に戻ったのだそうだ。
硫黄岳北面の爆裂火口、もっと近づきたかったが、風にあおられここに落っこちるのはいやだ!!
立ち並ぶケルンを後にして次の目的地横岳に向かう。
硫黄岳山荘。。稜線をほんのわずか数メートル下ったところにあるが、ここは無風なのだ!
横岳までの道のりでは大同心、小同心、赤岳が角度を変えるごとに実に表情豊かに私の目を和ませてくれるのだ、これも快晴のおかげだ、どうか今日一日このまま晴れますように。。。

硫黄岳山荘を振り返る。広くのびのびとした稜線である。道はこれから先だんだんと険しく怪しくなってくる。
大同心と赤岳が重なった!この大同心を登攀登山するクライマーは凄いなっと思う。


いよいよ横岳だ、岩稜地帯に入る。
登山道は切り立った痩せ尾根に変化し、、
最初の鎖場が登場する。ナイフリッジだ!ここを鎖を頼りに横ガニでわたり切りリッジをまたぎ西側に出て、、
さらにもう一度東側にまたぐ。。
そして、鉄梯子を登りきると横岳奥の院に立つ!ここで10分ほど休憩、10時5分快晴気温9度まで上がり風も少し弱まり気分全快!しかし、
雲行きは急に怪しくなり大量のガスも発生し、今までの景観はうそのようにガスに包まれ風もぐっと強くなり、気温も下がり始め、不安になる。
まったく視界が開けないまま、地蔵の頭に到着。あぁ~今までの快晴はどこへ行ったのか・・。
突如としてガスの切れ目から山荘が現れた。赤岳展望荘だ!ここで昼食を頼もうとしたら泊り客だけなんですぅ~っと断られた。。暖かいラーメンが食べたい!

さらに風は強くなり、ガスも大量発生の中、最終目的地赤岳山頂を目指す。岩の薄いチップが敷き詰められた急登は足がかりが悪くストックも刺さらず、さらに強風で体が煽られ、登るのにきつかった!! 
赤岳頂上荘だ。。やっと着いた!ありがたい 営業してる!!ここでカレーライスとビールを暖かいガラス張りの食堂でいただいた。。晴れていればここからのガラス張りの景観は見事だったろう 。


頂上荘から少し登ると山頂であるここまで来て視界が利かないのは残念であったが、満足もしてた。これから先は文三郎道を下り行者小屋を経由して赤岳山荘に戻る。
赤岳よまた来るぞぉ~~!!!

文三郎道は岩稜の険しい下り坂だ。強風で気温もマイナス5度まで下がる。急ごう!!




 途中の中岳への分枝点。

中岳の真後ろに阿弥陀岳が見えるはずだがガスで頂上付近が隠れてるのが残念だった・。

天気がよければ中岳から阿弥陀岳を登り中岳のコルから文三郎道に出たかったが、天候は厳しく断念した。今度来たときにはここからキレット超えをして権現岳に行ってみよう。




行者小屋に到着、ここのテン場にテントが二張りあった。この小屋は今週でシーズン終了だそうだ。

15:30分に赤岳鉱泉に戻り、もう一泊の手続きを済ませ、テントの中へ。。気温は2度で、昨日より冷え込んでいるが雨は降っていない。 17時ころ小雨が振り出すがすぐに止み小雪に変わった!雪だ!!初雪だ!八ヶ岳の初雪を体験・・・ちょっと感動した。テント内温度は4度。最後の夕食をワンカップ3本を熱燗にしていただく!!その後何もする事もないので、シュラフにもぐりこみ寝たが試しにインナーのパネルを開放してアウターパネルのみで一夜過ごしたが、下からの隙間風は無くこのテントの機密性は抜群だった!ちなみに22時でテント内温度マイナス2度、しかし寒さはさほど感じない。アウターの裾に雪がシームシーリングのように付着して外気を遮断している様子が写真でわかる。このテントのアウターは地面に密着してる為、このような効果もある。

翌朝4時起床、テントはうっすら雪化粧!!雪が降るのだったら、樹林帯に設営しないで広いグラウンドにすればよかったかな!

7:10分白くなった赤岳鉱泉山荘を後に美濃戸口に下山、気温は今回最低のマイナス10度。



北沢の雪景色、そして初雪に私が始めて足跡を残す。。。





美濃戸口では10分ほどでバスに乗れ、バス停にある八ヶ岳山荘の売店で買った缶ビールを飲みながら雪化粧した赤岳を見ながら茅野駅に向かう。帰りはスーパーアズサで新宿まで2時間。
車内ではワンカップを二本飲む、、しかしよく飲む私だ・・。
無事に縦走を終えほっとした。。ちょうど天候の分かれ目で冬直前の八ヶ岳を安全に登山できた事をうれしくも贅沢にも思えた。